• テキストサイズ

誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第73章 #73 再会



そんな壁内組を少し遠くからマーレ組が見つめていた。

「騒がしい奴らだな……」

マガトがため息をつく。
するとピークが口を開いた。

『新しい命にあんなに喜んでる。素晴らしいですよね。安楽死計画なんて本当につまらないわ』

巨人化したままのピークは冷たい目で座り込んでいるイェレナに視線を移した。
イェレナはジッとリリア達を見つめており、オニャンコポンは嬉しそうに小さく手を叩き祝っていた。

するとガビがファルコを引っ張り森の奥に入ろうとした。
慌ててピークが声を掛ける。

『ガビ?ファルコ?どこに行くの?』
「すぐ戻ります!!」

本人達の言う通り二人は直ぐに戻ってきた。そしてそのままリリア達の所へ足を運ぶ。
手を後ろにし顔を少し赤くしてリリアの前に立つと、リリアは首を傾げた。

「ガビ?ファルコ?どうしたの?」
「あの……赤ちゃん…」

ガビが手を前に出した。その手には小さな花が握られている。
名前は分からない、森に咲いていた花だろう。
ファルコも続けて花を差し出し笑顔を向けた。

「無事に…生まれるように…願ってるね」
「ガビ、ファルコ……ありがとう、嬉しいよ」

リリアは花を受け取った。
涙が出そうだ。
するとガビは隣で座り込んでいるリヴァイに膝を着き花を差し出した。
ジッとリヴァイが花を見つめる。

「………」
「リリアさん、大事にしてね」
「当たり前だ」

そう言いながらリヴァイは震える手で花を受け取ると、それを見てリリアが微笑んだ。

/ 1014ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp