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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第73章 #73 再会



「一番側にいてやらなきゃならねぇ時に一人にしちまってすまなかった。不安だったな…」
「…リヴァイ……怒ってないの?」
「怒らねぇよ。何も相談しなかった俺の責任だ。それにもう考えは変わったんだろ?」

リヴァイはゆっくりリリアから離れるとジッと顔を見つめた。

「うん……私、大丈夫だと思う……ちゃんとお兄ちゃんに……愛し方教えてもらってた」
「あぁ、大丈夫だ」
「リヴァイ……でもごめんね……私、残れなかった」

今度はリリアがリヴァイに抱き着いた。

「残った方が安全なのは分かってる…でも……近くで泣いてたの…」
「……泣いていた?」

脳裏に浮かぶのは泣いてエレンを止められないかと言っていたガビの姿、まだまだ若い子供のガビの涙はリリアにはとても重かった。
何か自分にも出来る事がある筈ではないか。

「お兄ちゃんとの約束も残っていては果たせない」

それはリヴァイにも分かった。
エルヴィンの墓石の前で誓った"この先の世界を生きて見せる"という事。

「それに何より……」
「……?」
「みんなと一緒にいたかった……ここまで一緒に生き抜いてきたリヴァイやハンジ…ミカサ、アルミン、ジャン、コニーと一緒にいたかった……」

皆がリリアを見た。

「リリア兵長……」
「もしかしたら死んでしまうかもしれない…でも…あのまま残った方が悔いが残るから……」
「そうか……お前が選んだのなら何も言わねぇよ」

その時、二人の姿を見ていたコニーが何かに気付き目を見開いた。

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