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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第73章 #73 再会



暫くすると荷馬車を引く音が聞こえてきた。
少しずつ見えてくる2つの荷馬車、ハンジは両手を広げて大きく振った。

「こっちー!!」
「ハンジさん!ジャンは無事ですか?」

その声が聞こえたジャンは無事だと手を上げて答えた。
荷馬車から皆が降りてくる。
アルミン、ミカサだけでなくガビやファルコ、ライナーやアニの姿もありハンジは驚いた。
ジッと彼らを見つめるリヴァイ、なかなかリリアが降りてこない。
するとミカサが荷馬車の後ろに回り手を伸ばし、その手を取って降りてきたのはリリアだった。

怪我もなく、元気そうに見える。
それを確認出来ただけでもリヴァイの心は軽くなった。
するとハンジがリヴァイの肩を叩く。

「無事でしょ?安心した?」
「………」

荷馬車を降りたリリアもリヴァイの姿を視界に入れ、無事な姿に嬉しそうな表情をした。
しかしその表情はすぐに曇り、視線を外して俯いてしまった。
今までのリリアなら何よりも先にリヴァイの所に飛んでくるだろう。
しかし今回はリヴァイに顔を合わせ辛いのか近寄ってこようとしない。

ハンジからお腹の中の子供を生みたくないと言った事はおそらく聞いたはずだ。
その事に関してきっとリヴァイから軽蔑された、嫌われたと思い、足が前に出ない。


「……ハンジ、ちょっと肩貸せ」
「いいよ、行くの?」

ハンジに支えてもらいリヴァイはリリアの元にゆっくりと足を進めた。
まだ一人では歩けない、足を引きずりながら一歩一歩リリアの前まで歩み止まった。
目の前にいるにも関わらずリリアは顔を上げない。

「リリア」
「………」

手を伸ばすとリリアは怯えたように手を上げてリヴァイを拒んだ。
しかしリヴァイはそのまま手を伸ばし続け、リリアを今ある力で強く抱きしめる。
踏ん張れないためリリアにリヴァイの全体重がかかるが、リリアは慌ててリヴァイの背中に手を回し、しっかり受け止めた。

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