第73章 #73 再会
ドッドッドっという地面を駆ける音が聞こえ、ハンジは立ち上がるとその音の正体を確認した。
遠くから見えたのは車力の巨人、どうやら作戦通りジャンとイェレナ、オニャンコポンを連れてきたようだ。
「オーイ!!こっちだよ!!」
到着した車力は口の中に含んでいた3人をぺっと川の中に吐き出した。
その瞬間、ジャンが吐き出す。
「巨人の口の中なんて二度とごめんだ…」
どうやら物凄い臭いだったらしい。
そのジャンの姿を見てハンジはピークに話しかけた。
「車力は何ヶ月もの間巨人の姿でいられるんでしょ?歯磨きとかしないの?」
『失礼ですよ、女性に対して』
「連れてきたのは3人?」
『えぇ。リヴァイ兵長の言っていたキラキラした子はいなかったわ』
「そっか…」
ハンジはリヴァイを見た。
なんの反応は見られないがただジッとジャンやオニャンコポンを見つめている。
本当は少し期待したのではないだろうか、ここにリリアがいる事を。
「ねぇ?ジャン。リリアはやっぱり……来ないって?」
「ゲホゲホゲホ……え?あ、いえ、来ますよ。身体の事を考えてミカサ達と来るはずです」
ピクッとリヴァイの肩が上がった。
「じゃあ私達と来ると決めたんだね?」
「はい」
ハンジはリヴァイの元に歩むとポンっと肩を叩いた。
「良かったのか悪かったのか何とも言えないけどさ。ようやく会えるね!それに関しては良かったね」
「…………」
リヴァイは目を閉じた。
会える、ようやく。