第71章 #71 分かれ道
静かな森の中、焚き火の音だけが聞こえその炎をリヴァイ、ピーク、マガトが囲んでいた。
遠くからの足音に気付きピークが振り返るとハンジが戻ってきていた。
「やぁ、ただいま!」
ハンジは大きく息を吐きながらリヴァイの隣に座る。
暫く沈黙しリヴァイの方を見て口を開いた。
「とりあえずミカサとジャンに会えたから話をしてきた。2人共一緒に来てくれる。アルミンやコニーにも話をしてくれるそうだ」
「そうか…」
「リリアにも会えたよ。かなり疲労してるように見えたけど無事だった。一緒に来るのか残るのか、明日の作戦までに決めてもらう。リヴァイの言葉も伝えたよ」
さらに大きな息を吐きハンジは髪の毛をクシャっと掴んで俯いた。
別れ際のリリアの泣き声が頭から離れない。
「……泣いちゃって……置き去られたみたいに小さく…頭から離れなくてさ。もうあれ絶対リヴァイだったら拐ってきてる」
「……」
「安心してくれ、お腹の子はちゃんと受け入れたよ。だから尚更悩むだろうね」
「そうか……」
すると今まで黙っていたピークが口を開く。
「あなた達の話を聞いててそのリリアって子に凄く興味が出る」
「え?」
「人類最強と私達からも恐れられてる貴方が溺愛して、調査兵団の団長さんからもそんなに愛されてるその子を私も見てみたかったわ」
「そうだ!特徴をピークにも教えとかないと!もしこっちに来る選択をしたらピークに連れて帰ってもらう可能性だってあるんだから。ほら、リヴァイ!教えてあげなよ」
するとリヴァイは視線だけをピークに向けた。
リリアとはどのような子なのだろうか、彼女に惚れ込んでいる者が言うのだからさぞかしたくさんの特徴を言ってくるのかと思いきや、リヴァイの言うリリアの特徴は一言だった。
「キラキラしている」
「………いや分からないわ、それ」
噴き出しながらもハンジは必死に笑いを堪えている。