第71章 #71 分かれ道
「怖かった…怖かったよぉ…!!ハンジ……!!」
「そうだよね、リリアの事だから一人で耐えてたんだろ?ごめんね、側にいてあげられなくて。よしよし、もう大丈夫だ」
ハンジはリリアをギュッと力いっぱい抱きしめた。
そんな二人を少し離れて見ていたミカサとジャンは顔を見合わせ小さく笑う。
リリアが我慢していたのは、ミカサやジャンも分かっていた。
長年彼女を見てきたのだ、どんな性格なのかは把握している。
暫くし、落ち着いたリリアはゆっくりとハンジから離れた。
「落ち着いた?」
「うん……ごめん……」
「いやぁ、リヴァイには悪いけどもう少し抱き着いていて欲しいくらいだね!ははは!!」
「リヴァイは大丈夫?」
「うん。まだ動けないけど命は助かった。あそこで逃してくれたリリアのおかけだよ」
「良かった……」
するとハンジはリリアを椅子に座らせ、対面に自分も座った。
息を整え辺りは再び静かになる。
「リリア、リヴァイから話は聞いたよ。ジークの脊髄液を口にして巨人化が途中で止まったみたいだね。左腕は戻ったの?」
「うん……戦闘中以外は隠してたけど…」
そう言いながらリリアが左腕を見せる。
後ろにいたミカサとジャンはハンジの言葉に驚いた。
リリアの左腕が復活したのは知ってはいたが、まさかリリアがジークの脊髄液を飲んだとは思っていなかった。
おそらく左腕の復活理由を理解していたアルミンは、その脊髄液の事は分かっていたのだろうが二人にとっては初耳だ。
「理由は分かってる?」
「………ジークと……ナイル兄ちゃんの言葉で…分かってはいるけど……」
「受け入れられてないみたいだね。やっぱり…」
するとジャンが二人に声を掛けた。