第8章 #08 楽しき日
朝日が窓から差し込み、その明るさでリリアは目を開けた。
自分の下にはエルヴィンがまだ寝息を立てている。
「っあぁーーーー!!お兄ちゃあぁぁぁん!!!ごめっ…ごめんーー!!!」
あろう事か指揮官であるエルヴィンをソファで寝かせてしまった。
しかも自分が上に覆い被さり、絶対に安眠出来ていない。
慌ててエルヴィンから飛び降りると、リリアはエルヴィンの体を揺すった。
「お兄ちゃん!!体っ!!体は痛くない?!」
「ん……?リリア、おはよう。朝か……。大丈夫だ、ソファで寝るのなんていつもの事だからな」
「それプラス私が布団になってたよ……ごめんね」
エルヴィンが体を伸ばすと関節がパキパキと鳴るのが聞こえ、リリアは申し訳なさげに頭を下げた。
笑いながらエルヴィンがリリアの額を小突く。
「大丈夫だ。さぁ、食事を摂ったら行こうか」
「うん!」