• テキストサイズ

誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第70章 #70 フロック・フォルスター



「フロックやめろ!撃つな!!」
「落ち着けよジャン、分からせただけだ。彼はまだ状況を理解してなかった。だがこれで伝わっただろう、口のきき方を間違えたらどうなるのかが義勇兵に」

「フロック?!何してるの!」

リリアが撃たれた義勇兵に近付き体を支えた。

「大丈夫ですか?早く手当を…」
「くっ……」
「リリア兵長!ダメです!!こっちに!」

ジャンはリリアに近付き腕を引っ張ると義勇兵から離れさせた。

「なぁ、一体誰がお前にお山の大将を気取って欲しいと頼んだ?」
「よく聞いてくれたなジャン、みんな聞いてくれ!!」

その言葉を待っていたとばかりにフロックは大きな声を上げた。

「俺は10ヶ月前、エレンから今回の計画を聞いた!ジークを利用し始祖の力を掌握する計画だ!!」

ジャンは眉をひそめた。
先程リリアが言っていた、"エレンがジークを裏切る事を知っていたからイェーガー派の脅しに使えた"というのはこういう事だったのかと理解した。
イェーガー派を率いていたフロックも事前にエレンから聞いていたのだ。

「俺は仲間を集めエレンを手助けをし計画は今日達成された!お前達義勇兵は指導者を失った!!味方をしてくれる兵団の後ろ盾もな!!そしてお前達は故郷も失う!『地鳴らし』によって全ては巨大な足跡の下だ!お前達義勇兵がこの島に来た動機である故郷の復興の夢も失う!!」

他の義勇兵達は言葉も出ない。

「それでもこの島でエルディア帝国のために力を貸してくれる者がいるならば声を上げよ!我々は歓迎しエルディア人として迎える!」
「ふざけるなクソ野郎!!」

手を撃たれた義勇兵がそう叫ぶと、フロックは顔色一つ変えず彼の額を銃で撃ち抜いた。何度も。
床に無惨な死体が倒れ、リリアは目を背けた。

/ 1007ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp