第70章 #70 フロック・フォルスター
その頃、砦に戻り身体を休めていたリリアにアルミンとミカサが声を掛けた。
どうやら無事に避難したブラウスから話があると言うのだ。
特にブラウスと親しいわけではないため、何故自分も呼ばれたのかが分からない。
しかし何かあるのだろうと2人に着いて地下へと向かった。
その途中、ブラウス本人が出迎えに来てくれていた。
目が合ったリリアは軽く会釈をする。
「ご無事で何よりです、ブラウスさん」
「君達も無事で良かった。しかしこの状況で呼び出してすまない」
到着した部屋に入りアルミンとミカサは目を見開いた。
いなくなった筈のガビが目の前にいたからだ。
「君は!なぜここに?」
「信じて、もう争う気はないの。私はただ…ファルコを返してほしいだけ」
「っ!?」
「そしたら私達はどこかに消えるから!」
しかしアルミンとミカサは言葉が出なかった。
とても言いづらそうな表情をしている。
「ファルコは…どこ?」
しかしこのまま黙っている訳にはいかない。
アルミンは事情をガビに伝えた。
ファルコはジークの叫びで無垢の巨人になった後、顎の巨人を食べ力を継承し人間の姿へと戻った。
しかしそのファルコを巨人になってしまった自分の母親に食べさせる、とコニーがラガコ村へと連れて行ってしまったらしい。
確かに先程の戦闘でもコニーの姿はなかった。