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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第70章 #70 フロック・フォルスター



「では撃つ前に聞こう。ジークを殺すと言ったが…奴は今どこにいる?」
「おそらくは…王家の血を利用するためエレンに取り込まれている。いや…始祖の巨人に」

ハンジの回答にピークが口を開く。

「巨人博士のハンジさんなら何でも分かるようですね。我々マーレよりも…その始祖の巨人はご覧になられましたか?」
「とてつもなくデカくてどうにもならなそうな事は分かってる…だから…我々はやるしかないんだよ…みんなで力をあわせようってヤツを」

マガトは少し考え、歩みを進める巨人達を見上げると銃を下ろした。

「条件がある」
「条件?」
「イェレナを生きたまま引き渡して欲しい。これが飲めないのなら車力の力は貸せない」
「分かった。飲もう!」

どうにか車力の力を借りる事は出来た。
次はストヘス区に行き、ミカサ達と話をしなければ始まらない。
暫くし、ハンジだけストヘス区に戻る準備を始めた。
リヴァイとピーク、マガトはとりあえずここで待機をしていてもらう。

「じゃあ行ってくる。すまないがリヴァイを頼む」
「あぁ」
「リヴァイ、リリアに伝える言葉は決まった?」

リヴァイは少し沈黙し、ゆっくり口を開いた。

「悔いの残らない方を選べ」
「……それでいいの?」
「あぁ」
「もしリリアが島に残る選択を選んだら二度と会えなくなるけど、大丈夫?」
「……リリアに選んでもらってくれ」

そう、とハンジは頷くと反転し歩き出した。

「ハンジ」
「ん?」

足を止めハンジが振り向く。

「リリアは今かなり不安がっている筈だ。本当は俺が行きてぇがこんな体だ。頼れるのはお前しかいない。リリアの事を…頼む」
「任された!じゃあね!」

そんなやり取りを見ていたピークがリヴァイに問う。

「リリアって……ライナーが言ってたもう一人の兵士長の事?」
「あぁ」
「強いって聞いたけど来てもらえば戦力になるんじゃないの?」
「アイツは今身籠っている。戦いには出せない」
「そうなんだ。なら無理ね」

リヴァイの表情は包帯でよく見えないが、どことなく寂しそうに感じる。
事情を知らないピークでもリヴァイとリリアの関係が深いものなのだと悟った。

「父親あなた?」
「あぁ」
「ふぅん。それは……二度と会えないとなると寂しいわね」

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