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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第70章 #70 フロック・フォルスター



森を抜け少し進んだ時だった。
ハンジが何かに気付き荷馬車を止めた。
目の前に車力の巨人であるピーク・フィンガーと、一緒に逃げてきたのだろうマーレの戦士隊を率いていた今では元帥に昇格したテオ・マガトがいる。
ハンジは静かに車力とマガトを見つめた。

「彼らを仲間に出来ないものか…。これからの戦いは九つの巨人の力が必須になる。車力が協力してくれたらそれは大きな戦力だ」
「行ってみるか?一か八かで」

そうだね、とハンジが頷いた。
警戒されないよう武器を全て置き、恐る恐る近付くハンジ。
攻撃されないか正直不安だ。

「あのー」

いきなり声をかけられ驚いたピークとマガト、ピークが巨人で威嚇すると、ハンジは慌てて両手を上げ武器も何も持っていない事をアピールした。

「ちょっと待って!!とりあえず食べないで!!こちらには何の武器もありません!!」

しかし二人の視線は後方を見ていた。
リヴァイを乗せている荷馬車を。

「え?あっちに誰かいる?ご安心ください、あれは…人畜無害の死に損ないです」

ピークとマガトは顔を見合わせるとゆっくりと荷馬車の方へ足を進めた。
ハンジの言う通り、そこにいたのは動けない程の怪我をしたリヴァイ。
リヴァイはゆっくりと上半身を起こし、口を開いた。

「俺の目的はジークを殺す事だ……あんた達とは利害が一致する。テオ・マガト、ピーク・フィンガー」
「リヴァイ・アッカーマン。『九つの巨人』に引けを取らない強さを持つらしいが…そのザマでどうやって俺の弾丸を避けるつもりだ?」

マガトがリヴァイに向かって銃口を向ける。

「弾は避けられない。だがこのザマを敵の前にみすみす晒した。撃つか、聞くか、あんた達次第だ」

ジッと二人が睨み合う。
まだマガトはこちら側を信用していない。

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