第68章 #68 理由
「リヴァイ、ジークの脊髄液を口にしても巨人化しないのには大きく分けて3つ条件がある。一つ目はユミルの民以外の人種、でもリリアは壁内の生まれだからこれはまずない」
そうだな、とリヴァイが頷く。
「二つ目は九つの巨人の継承者、いわゆるエレンやアルミン、ライナーのような知性巨人、これもない」
「あぁ……」
「そして三つ目、アッカーマン一族。彼らは脊髄液を口にしても巨人化しない。リヴァイやミカサだね、彼らは人並外れた戦闘力、身体能力を有している。リリアも勿論戦闘能力は高いけど、それはリリアの努力によるものだ。先天的なものじゃない。しかもリリアは巨人化しようとした、だからアッカーマン一族ではない」
だったら何だと言うのか。
ハンジの言う3つの中でリリアに当てはまるものがない。
「この中で一つだけ当てはまるものがあるんだよ」
「あ…?」
「それは三つ目、アッカーマン一族」
意味が分からない。
今、ハンジ自身がリリアはアッカーマンではないと言ったではないか。
「そう、リリアはアッカーマンじゃないよ?」
「意味が分からねぇよ…」
「ただね、こうならどうかな?リリアのお腹の中にリヴァイの血を引いた子供がいる。それならその子はアッカーマンだ。リリアのお腹の中にはアッカーマンの血を引いた子供がいるんだよ」
リヴァイが目を見開く。
そういえばジークもそんな事を言っていた。
「ジークも…その子供を救うとか何とか言ってやがったな…」
「リリアの最近の体調不良、私達は頭を何度も強く打った後遺症じゃないかと思っていた、でもそれは後遺症じゃなくて、つわりだったんじゃない?」
「つわり……」
「お腹に子供がいたから途中まで巨人化していたのがアッカーマンの血に反応して止まったんだ。母親と子供はお腹の中で繋がっているからね。一時的にリリア自身もアッカーマン一族のようになったんだ。その子が…リリアを守ってくれたんだよ、きっと!」
ハンジは喜んだがリヴァイの反応がない。