第68章 #68 理由
すべてのユミルの民に告ぐ
オレの名はエレン・イェーガー
始祖の巨人の力を介し
すべてのユミルの民へ話しかけている
パラディ島にあるすべての壁の硬質化が解かれ
その中に埋められていたすべての巨人は歩み始めた
オレの目的は
オレが生まれ育ったパラディ島の人々を守ることにある
しかし世界は
パラディ島の人々が死滅することを望み
長い時間をかけ
膨れ上がった憎悪はこの島のみならず
すべてのユミルの民が殺され尽くすまで止まらないだろう
オレはその望みを拒む
壁の巨人はこの島の外にある
すべての地表を踏み鳴らす
そこにある命を
この世から駆逐するまで
気付けば再び元の風景へと戻っていた。
リリアは俯いた。
本当にエレンはこの島の外の全てを踏みならすつもりだ。
どうしてこんな事になってしまったのだろう。
やはりあの時ジークを殺しておくべきだったのだろうか、今となってはもう遅い。
何が正解だったのか分からない。
「これから…どうしたらいいの……」