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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第67章 #67 壁内へ



「リリアちゃんはどうする?本当にこのまま戦闘に加わるのか?」
「うん、どうにかマーレ兵の侵攻を止めないと!エレンの事はミカサやアルミン達に任せるよ」
「……無理するなよ」

兵士達はピクシス司令の指示の元、マーレ兵達の背後に移動しながら戦った。
リリアもそれに付いて行き、攻撃してくるマーレ兵を倒して行く。

途中、エレンの元へ向かうアルミン、ミカサ、ジャンやコニーを見かけたが声は掛けなかった。
そんな余裕がない程、マーレ兵の数が多い。
他の兵士達とは違い、遠距離から銃を使わず立体機動で敵に飛び込んで戦うリリアの姿を見てナイルは歯を噛み締めた。

先程からずっと考えている、何故リリアは脊髄液を飲んで巨人化しなかったのか。
いくつかの可能性を考え、辿り着いたその答えは正しいのかは分からないが、もしそれが正しければ彼女をここで戦わせるわけにはいかない。

「リリアちゃん!!」
「え?はい!」

名を呼ばれリリアはナイルに何かあったのかと急ぎ戻ってきた。
ナイルはリリアの手を引くと壁の影に隠れた。

「今からでも遅くない。避難所に行こう」
「え?でも私は戦えるから…!」
「ダメだ!!」

声を上げたナイルにビクッと肩を上げる。

「さっきからずっと考えていた。リリアちゃんが巨人化しなかった理由を」
「……」
「もしそれが正解なら、リリアちゃんはここにいたらダメだ!リリアちゃん、君は……」
「言わないで!!!」

リリアはナイルの服を握りしめ、言葉を遮った。

「お願い……言わないで……私にはまだ…その覚悟がない!!」
「リリアちゃん…」
「現実を見たくない……私には無理だ…」
「しかし…!」

ドォンと爆発音がし、破壊された瓦礫が二人を襲う。
話をしている暇はない。
リリアは再び戦いに戻ろうと体を翻したが、ナイルが再び腕を引く。

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