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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第67章 #67 壁内へ



壁内の兵士とは違う装備をした男が目の前にいた。
しかもその隣にはガビの姿も見える。
二人は瞬間姿を隠したが、二人を見たファルコが目を見開く。
リリアとナイルはファルコの様子を見て首を傾げた。

「どうした?」
「兄……です」

まさかファルコの兄が探しにきたと言うのか。
リリアとナイルが顔を見合わせ、そして頷いた。

「そうか……」

ナイルがファルコの腕を掴む。
その行動に驚きファルコはナイルを見上げた。

「さぁ、来るんだ。マーレの捕虜め」
「え?」

ファルコはナイルとリリアを交互に見る。
しかしリリアの表情は優しく微笑んで頷いている。
大丈夫、と言いたげだ。
ナイルは近くにいる兵士達に声を掛けた。

「俺はこの捕虜を民家に拘束してくる」
「私は師団長を護衛します」
「俺達は先に行くぞ、遅れるなよ」

ファルコの腕を引き、二人の人影が隠れた場所へと近付くリリアとナイル。
そしてその場所に辿り着くとやはりそこにマーレ兵がいた。
ファルコの兄であろう男の戦士と、ガビだ。
二人はリリアとナイルを見ると眉をひそめた。
いつ攻撃されてもおかしくない、しかしナイルもリリアもそんな素振りは一切せず、ファルコの背中を押した。

「子供が来る場所じゃない。家に帰るんだ」

ファルコは驚いた表情をし二人を見たが、兄と言った男が立ち上がりファルコとガビを早々に連れて行った。
これでファルコもどうにか安全な場所に行けるだろうか、少なくともここにいるよりは良い。

「ナイルさん、リリアさん……ありがとう」

ファルコが振り向くとナイルとリリアは小さく手を上げ、その場から去った。

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