第67章 #67 壁内へ
とにかく急いで壁内へ戻る事となり、リリアはハンジの馬に乗って戻る事となった。
すると遠くから何やら音が聞こえてくる。
空からだ。
「フロック!!あれを!!」
兵士が指差した先、そこにはマーレの飛行船の姿が何機も見える。
どうやら奇襲を仕掛けに来たようだ。
「早い……こんな軍港を潰したのにこんなに早く来るなんて」
リリアは歯を噛み締めた。
このまま馬で駆けてもおそらくあのマーレ船の方が早く壁内に到着する。
奴らの狙いは始祖の巨人、エレンだ。
「ジーク!エレンとの待ち合わせはどこだったの?」
「お!リリアちゃん協力してくれるの?」
「早く言え!」
「怖い怖い。シガンシナ区だよ」
あのマーレ船もシガンシナ区へ向かうだろう。
そうなればそこに住む住人達が多くて巻き添えになる。
せっかく人が住めるようになったというのに。
するとジッとジークはリリアの手元を見つめた。
せっかく左腕が戻ったのに、どうして馬の手綱を右手でしか持っていないのか。
「リリアちゃん、どうして左腕…」
「うるさい黙れ!!喋るな!!」
「リヴァイそっくり……」
とにかく急いでシガンシナ区へ向かわなければ。