• テキストサイズ

誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第67章 #67 壁内へ



「フロック!!巨人の様子がおかしい!!」

兵士が声を上げ皆が近くでジッと動かなかった巨人を見つめた。
巨人の体の周りを大量の蒸気が覆い、その蒸気が吸い込まれている。

「消えている?…死んだのか?!」
「いや…普通…蒸気が吸い込まれるようにして消えたりしない」

ハンジがそう言った時だ。
巨人の中から今まで姿の見えなかったジークが出てきた。
真っ二つになっていた筈の体は何故か元に戻り、怪我もない。
リリアが辺りを見渡す。
皆がジークに注目しているこの時がチャンスだ、逃げるなら今しかない。

リリアはハンジの服を引っ張ると川の方を指差した。
リヴァイを連れて川に逃げ込んでくれ、そう言っている。
しかしハンジは首を振る、リリアを置いてはいけない。一緒に行かねば殺されるのは確実だ。
するとリリアは声を出さず口だけを動かした。

(大丈夫)

苦笑いをすると頷き、ハンジの手を握る。
そして小さく、小さく呟いた。


「生きて」


ハンジは歯を噛みしめるとリヴァイを抱えて川に飛び込んだ。
雨で増水し、流れが早いがハンジならきっと大丈夫だろう。

「逃げられたぞ!!」
「しまった!!追え!逃すな!!」

数人の兵士がハンジを追う。
するとフロックが残ったリリアの頭に銃口を向けた。

/ 1007ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp