第65章 #65 叫び
「お前の可愛い部下達はどうした!まさか殺したのか?可哀想に!!」
リヴァイは何も答えない。
獣の巨人の側を通り、攻撃を避けていく。
「うぁぁぁ!!!」
投げられた巨人の肉片はリヴァイには当たらず、変わりに木の枝に当たった。
(っ?!枝っ?!)
「必死だな、ヒゲヅラ野郎。お前は大人しく読書するしかなかったのに」
(っ?!)
「何で勘違いしちまったんだ?俺達から逃げられるって。部下を巨人にしたからって俺達が仲間を殺せないと思ったのか?俺達がどれだけ仲間を殺してきたか知らねぇだろうに!!」
木の枝を目眩しに落とし、その間をリヴァイが獣に向かって降下していく。
獣はリヴァイに向かって肉片を投げた。
「うおぉぉぉぉ!!!」
リヴァイはその肉片を避けながら、獣に向かって雷槍を撃った。
全ての雷槍が獣のうなじ付近に刺さり、そして大きな爆発と共に獣の巨人は吹き飛び、中にいたジークも飛び出した。
ジークは腕が吹き飛び、体も血まみれでボロボロだ。もう動けないだろう。
リヴァイはジークの頭を掴み上げ睨んだ。
「よぉ、ヒゲヅラ。テメェ、クセェし汚ねぇしブサイクじゃねぇか。クソが!!まぁ、殺しゃしねぇから安心しろよ。直ぐにはな」
どうにかジークを捕まえる事は成功した。
リヴァイが後ろを振り返る。
リリアは無事だろうか、しかし何故ワインを飲んだのに巨人化しなかったのだろう。
リヴァイがジークを見る。
この怪我なら暫くは動けない。
念のためにジークを木に縛り付け、体にブレードを刺し、リヴァイは再び森の奥へと入っていった。