第65章 #65 叫び
ジークは巨人三体を連れ森を抜けようとしていた。
今のところ後方からリヴァイは追いかけてきていない。
「決別だ。お互いを信じる事が出来なかった。全世界の勢力がもうじきこの島に集結してしまう。それがどういう事か分かっていない。自分達には力がある、時間がある、選択肢がある。そう勘違いしてしまった事がリヴァイ、アンタの過ちだ」
そろそろ巨大樹の森を抜けそうな辺りまで来ていた。
ここまで来ればもう追いかけてはこないだろう。
「まぁ、俺の真意を話した所で、分かりっこないだろうがな。なぁ、エレン。俺達にしか分からないよな。この森を抜ければすぐお前の元だ。しかし、ちゃんと時間と場所を覚えているんだろうな、エレン」
その時だ。
三体のうちの一体が急に倒れた。
ジークが目を見開く。
「っ?!」
そう、リヴァイがジークに追い付いたのだ。
ジークはまさか仲間を斬ってまで追いかけて来るとは思ってもいなかった。
「ぬぅう!!行けぇぇ!!!!」
命令を出したもう一匹もリヴァイによって倒される。
「何だよ!!もぉー!!!またかよぉぉぉぉ!!!」
ジークは叫びながら手を噛み巨人化した。
リヴァイは距離を取り、木の上に上がり身を隠した。
獣の巨人は連れてきた残りの一匹の巨人の頭を引きちぎると、リヴァイを探した。
『どこだぁぁぁぁ!!どこに行ったリヴァイーー!!!』
後方に気配を感じ振り向くと、リヴァイを視界に捉えた。
獣は持っていた巨人の頭を握り潰しリヴァイに向かって投げ飛ばす。
「そこか!!」
しかしリヴァイには当たらない。