第65章 #65 叫び
普段とは違う動きの巨人に手こずりながらもリヴァイは確実に巨人を斬っていく。
10体くらいの数の巨人を斬った時だ。
攻撃を避けた隙を突かれ、後ろから巨人が飛び出してきたが反応が遅れてしまった。
「チッ!!」
巨人からの攻撃が当たる、そう思った時だった。
リヴァイを狙っていた巨人が後方からうなじを斬られ倒れた。
「は…?」
その巨人の後ろに立っていたのはリリアだった。
リヴァイが目を見開く。
何故リリアが巨人を倒したのか
巨人化したのではなかったのか
「リリア?お前……」
「リヴァイ!!!ここは私がやるからジークを追って!!」
「なっ……」
「絶対に!!逃がさないで!!!行けぇ!!」
リヴァイは歯を噛みしめた。
リリアの無事は確認出来た、どうして無事だったのかを考えるのは後からでもいい。
とにかく今はジークを捕まえなければ。
「リリア!!死ぬなよ!!」
「死なない!!誰に戦い方鍛えられたと思ってんの!」
俺だな、とリヴァイは苦笑いをした。
ここはリリアを信じて行くしかない。
「頼む!!!」
「早く行って!!!」
リヴァイはこの場をリリアに任せ、ジークを追った。
残ったリリアがジリジリと近寄ってくる巨人を見上げる。
「ごめんね…みんな」
先へ進むには仲間を斬るしかない。
リリアはブレードを構えた。
こんな数の巨人をたった一人で相手にした事など一度もない。
「ジーク……絶対許さない」