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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第8章 #08 楽しき日



旧本部に戻ると全員で夕食の準備が始まった。
贅沢は出来ないが栄養のあるもの、リヴァイが戻ってくるまでに作り終えたい。

リリアは買ってきたジャガイモを手に取り皮を剥き始めたが、その不器用な手つきに隣にいたグンタとエレンが慌てた。

「リリア兵長!あぶっ、危ないです!そのナイフの持ち方!!こうです!!」
「ん?こう?」
「違っ…あぁ!!手を切ります!!」

グンタが教え、エレンが心配そうに見守る。
戦闘技術は凄いのに、何故こんなにも不器用なのか。
今にも指をスパッと切りそうだ。


なんとか一個皮を剥き終えたが、その間にエレンが隣で剥いたのは3個。
とても時間がかかっているが剥き終わった本人はとても嬉しそうだ。

「エレン!見て!!剥けた」
「やりましたね!!」
「リリア兵長まだです!芽を取らないと」

グンタの言葉にゆっくりと彼の方にイモを持ったまま顔を向ける。

「芽?」
「芽です!取らなきゃダメです!こう刃の端を使って」
「…端、こう?」
「ゆっくり!ゆっくりやってください!!」

我慢ができずにエレンが噴き出した。

「ご、ごめんなさい…ふっくくく…あの…巨人との戦いは凄いのにあまりに不器用だから…」
「細かい作業は苦手なんだよね…だからよくリヴァイにも叱られるし…帰ったらまた色々教えてね?」

はい、とグンタが笑いながら答えた。


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