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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第8章 #08 楽しき日



町に出ると紙に書かれた物を皆で買って回る。
たくさんの人が買い物をしているこの場にいると今だけは明日の緊張感が感じられない。
皆自然と笑顔になっていた。

すると途中でエルドが足を止め、ある品物に目を止めた。
綺麗な石の付いた首飾りだ。
リリアがエルドを見上げる。

「エルド?これがどうかした?」
「いえ、アイツに似合いそうだなって」

アイツとは誰なのか、リリアが首を傾げるとグンタが代わりに答えた。

「エルドの婚約者ですよ」
「婚約者?!どんな人?」

顔を真っ赤にしてエルドはうろたえている。
かなり恥ずかしいらしい。

「いえ!その……大人しいけど綺麗で良い子です」
「わぁ、きっとエルドが好きな人だから素敵な人なんだろうな」

さらにエルドの顔が赤くなる。

「無事に戻って、元気な顔を見せてあげなくちゃね」
「そうですね、よし。買って帰ります!」

リリアはニコッと笑った。
どうか無事に戻り、この首飾りを婚約者に届けてほしい、そう祈った。
するとオルオも隣の店に売ってある焼き菓子に目を止め呟いた。

「俺もチビ共に買っておくかな」
「チビ?」
「俺んち弟達がたくさんいるんすよ!菓子が好きで」
「オルオお兄ちゃんなんだ!きっと優しいお兄ちゃんなんだろうね」

リリアの笑顔にオルオが頭を抱える。

「だあぁぁ!!リリア兵長!!その笑顔、好きっす!!今度是非うちに来てください!弟達も喜ぶっす!!」
「いいの?行く行く!!」

両手を握られ、笑っていると後ろからペトラがオルオの服を引っ張る。
このやり取りも毎回の楽しい、それをいつもエレンが笑いながら見ているのだ。


「エレン、リストの物揃った?」
「はい、揃いましたね」
「よし!じゃあ戻ってリヴァイが帰ってくるまでにご飯つくろ!!あ、エレン荷物半分持つよ」
「え?大丈夫ですよ!」
「いいから!」


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