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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第64章 #64 マーレ産ワイン



「あ、みんな!でも全員で一気に飲んじゃダメだよ?交代で少しずつね!」
「はいっ!!リリア兵長!!」

リヴァイとリリアが顔を見合わせると、ニッとリリアが笑い、リヴァイはやれやれという感じで息を吐いていた。
するとさっそくワインが開けられた。我慢できなかったのだろう。
楽しそうに最初に飲んだ兵士達が笑い合い、少々暗い雰囲気だったのが明るくなった。


「リリア兵長、飲んでみてください」
「えっ?あ、いや、私、お酒あんまり…」
「このワインは飲みやすいですから!飲んでみてください」

リヴァイが眉をひそめる。
リリアは今何も食べていない状況だ。
胃の中に何もなく酒を入れても大丈夫なのかと少し不安になった。
しかし部下から渡されたワインを断るわけにもいかず、一口だけ口に入れた。
だがやはりリリアはあまりお酒は得意ではなく、口を窄めて固まる。

「ありゃ、ダメですか?」
「うー……ごめんねぇ。空きっ腹に染みます……」

それを見ていたリヴァイがフッと笑う。

「ガキだな」
「……なんか昔もそれ言われた気がする」

頑張ってもう一口飲んでみたが、やはり苦手だった。


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