第63章 #63 異変
「アンタ!!ジークの居場所知ってるの?!」
「さぁ、どうだろう」
「ジークに会わせて!!許せない!!私達を裏切って!!!」
「ガビはジークが憎いの?」
「当たり前だ!!!味方だと思ってたのに…」
「そうか、でも大丈夫!ガビの代わりに私達が必ずジークを殺すからね!!」
今、軽くとんでもない事を彼女は言った。
しかも笑顔で逆に怖い。
「アンタ…ジークを守ってるんじゃ…?」
「は?」
「え……」
「あ、ごめん、ごめん!」
リリアは立ち上がるとニッコリ笑った。
もう時間がない、そろそろ行かなければ間に合わなくなる。
「その筒に入ってるスープはあったかいうちに食べて!!またいつか会えるといいね」
そう言うとリリアは最後まで笑顔で2人に手を振ってその場を離れた。
ガビはリリアの姿が見えなくなるまで睨みつけていた。
「アイツ……ヤバい奴だと思う。やっぱり悪魔だわ」
「そうかな。多分好き嫌いの差が激しいだけじゃないか?怒ると怖いって言ってたし。あのリリアって人は良い人だと思うよ?」
「アイツは悪魔なのよ?!優しいも何もない!!いつか殺してやる!!」
「ガビっ!!」