第63章 #63 異変
「リリア、起きろ。時間だ」
「ん……はい」
目を擦りながら起き上がるリリア、体調が悪そうには見えない。
「平気か?」
「うん、大丈夫だよ」
リヴァイはリリアの額にチュッと軽くキスを落とすと頭をポンポンと叩いた。
「着替えるぞ。飯食ったら出発だ」
目をパチパチさせながらリリアは額に触れる。
リヴァイの行動に少し照れながら返事をするとベッドから降り、手伝ってもらいながら着替えを終えた。
部屋で食事をとりながら持っていたパンを見つめリリアが呟く。
「まだ時間少しあるよね。リヴァイ、ちょっと私ガビとファルコの所にご飯運びに行ってくる」
「はぁ?他の奴に任せればいいだろうが」
「時間になったらちゃんと集合場所に行くから!それじゃあまた後で!」
立ち上がると手を振りリリアは走って行ってしまった。
言い出したら聞かない、リヴァイは大きく息を吐いて残りの食事を食べた。
おそらくリリアの事だ、あの二人の子供達と少しくらい親しくなれないものかと考えているのだろう。
子供といえどあの二人はマーレの戦士候補生だ。特に少女の方はパラディ島の人間を相当嫌っている、そううまくは行かない。