第63章 #63 異変
「リヴァイ……」
「どうした?痛いか?」
「お水…飲みたい」
「水…」
動揺しているのか直ぐに体が動かないリヴァイ、一呼吸置き水を準備するとリリアの体を起こし水を飲ませた。
痛みは本当に治っているようだ、呼吸も落ち着いている。
「吐き気はねぇか?手足が痺れたりは?」
「大丈夫」
「ちゃんと喋れるか?」
「うん。本当に大丈夫だから」
「お前、明日からの任務行くのやめろ」
「え、嫌だよ?絶対に行く!!」
「馬鹿!死んだらどうする!!」
声を上げたリヴァイにリリアがビクリと肩を上げるが、引き下がらなかった。
首を振り、リヴァイをジッと見つめる。
「絶対に行くから!て言うか死なないし!!」
「オイ…」
「風邪だってば!!連れてって!もう……置いてかないで。なんか変なのは私が一番分かってる。だから……置いてかないで…すぐリヴァイが側にいてくれる所にいたい」
大きく息を吐くとリヴァイはリリアを優しく抱きしめた。
弱っている時だからこそ何かあった時にリヴァイに近くにいてほしい。
「分かった…でも無理はするなよ」
「うん…」
朝になり窓から陽が差し込みだした。
あれからリリアは特に頭を痛がる事なく眠りについた。
心配でずっと起きて見守っていたリヴァイだが、少しだけ横になって眠ったおかげか疲れはなかった。
彼にしては眠った方だ。
そろそろ起こさねば任務に出なくてはいけない。
本当に連れて行っていいのか不安だが本人の思いを尊重したい。