第62章 #62 ありがとう、さようなら
部屋に戻ったリリア、扉の前には腰を下ろしたリヴァイがいた。
今までずっと、リリアの帰りを待っていたのだ。
リヴァイはリリアに気付くとゆっくり立ち上がった。
「リヴァイ……」
「……どこに行っていた」
「あ、明日からまた任務なんだよ?しっかり休まないとダメじゃない」
「……どこに行っていた」
「そんな事どうでも……」
「どこに行っていた!!!」
リヴァイがリリアの腕を引っ張り声を荒げた。
いつもと違う雰囲気にリリアが怯む。
「ニ、ニコロの所に……」
「報告しに行ったにしてはえらく時間がかかったな」
「………ただ…フラフラと…」
「着替えもせずにこんな時間までか?そんなに目を腫らしてただフラフラしてただけか?」
リリアはリヴァイに掴まれた腕を振り解いた。
その行動にリヴァイが目を見開く。
「ごめんなさい……今日はもう放っておいて。何も考えたくない」
「……リリア」
「今まで待っててくれてありがとう。お疲れ様、また明日」
彼の横を通り抜け、部屋に入ろうと扉を開けたその時だった。
リヴァイは再びリリアの腕を掴み、部屋の中へと引っ張るとリリアをベッドに放り投げその上に馬乗りになった。