第62章 #62 ありがとう、さようなら
「エレンの所に行ってたんだろうが!!」
「リヴァイっ!!」
「アイツを擁護するのをやめろと言った!!兵団はもうアイツを信用していない!そんな奴に近付いたらまた兵団に疑われる!!次に疑われたらもうどんな目にあうか分からねぇんだぞ?!」
一気に叫んだために、リヴァイの肩が上下に揺れる。
しばらく沈黙が続いた。
「……さようならをしてきた」
「は?」
「もう……私はエレンの味方にはなれない……でも……でも……」
"オレも仲間が大事ですよ!これだけは絶対に、絶対に変わりません"
「エレンは……エレンだった……」
「リリア……」
「まだ突き放してくれた方が……楽だった」
ボロボロと涙が流れる。目が腫れ上がる程泣いたのに涙が止まらない。
「うっ…うぅぅ……うぁあぁあん!!うっ…うぅぅ!!」
「………泣くな…」
「あぁあぁぁん!!私は……何も出来ない……どうしたらいいのか分からない…うぅう…!!」
"兵長の思う通りに進んで下さい"
"悪はオレだけでいい"
"リリア兵長、大好きです"
「泣くな……頼むから…」
「うわあぁぁぁあん!!」
リヴァイはリリアの腕を引っ張り上半身を起こさせるとギュッと抱きしめた。
どうしてこんなに泣くのか分からない、聞いても答えはしないだろう。
ただ彼女が泣き止むまで何も言わずに優しく背中を撫でていた。