第61章 #61 戦いの始まり
エレンの事はミカサに、ジークの事はリヴァイに任せている。
二人と残りの調査兵団を無事に回収しなくてはならない。
すると操縦室にいる他の兵団が声を上げた。
「団長!光の道を確認しました!!」
作戦はレベリオ収容区内にライトを上空へ向け設置、光の道を作りそれを頼りに飛行船を飛ばす。
そして飛行船に乗り込みパラディ島へ帰還するというものだ。
「良かった、ここまでは作戦通り事が進んだようだ。さ、頼んだよ!オニャンコポン!」
「任せてください!ハンジさん!!」
「低速低空で収容区に侵入、光の道に沿ってみんなを回収する。チャンスはその一度きりで、乗り遅れれば一貫の終わり。この飛行船が撃ち落とされてもね。まったく無茶を思い付くよ。エルヴィンの亡霊にでも取り憑かれたかい?」
ハンジはアルミンを振り返った。
作戦の案を出したのはアルミンだ。ぶっつけ本番の一発勝負、まるで博打うちのような作戦を考えるエルヴィンのよう。
「そうであってほしいですよ、僕らに力をくださるのなら。こうなってしまった以上はもう…みんなとエレンを回収できなければ僕らに未来はありません」
リリアは小さな窓から遠くに見える煙を見つめた。
あの下で戦いが始まっている、リヴァイは、エレンは、他の調査兵団達は無事なのだろうか。
そしてついに飛行船はレベリオ収容区上空に到着した。
飛び交う銃弾、崩れた建物の数々、そしてたくさんの倒れた人達。
見た所、巨人達の戦いは今行われていない。もうすでに終わったのだろうか。
すると船の底に次々とワイヤーを引っ掛ける音が聞こえ出す。
調査兵達が戻ってきたのだ。