第61章 #61 戦いの始まり
まず飛行船はマーレに向かい軍港に行く。
そこで超大型巨人で軍港を破壊する任務を与えられたアルミンを回収するのだ。
軍港を破壊すれば、敵がパラディ島に反撃を仕掛けてくるのを遅らせる事が出来る。
しかし同時にたくさんの人を殺すこととなるアルミンはどんな心境だろうか。
操縦しているオニャンコポンの後ろからハンジとリリアは前方のマーレ大陸を見つめた。
たくさんの煙が上がっている、確実に戦闘は始まっているのだ。
調査兵団の皆は無事だろうか、不安で仕方がない。
リリアはハンジの手をギュッと握った。
「リリア、怖い?」
「……ちょっと…」
「私もだよ」
ハンジはリリアの頭を自分の方へ抱き寄せた。
「見えてきました!超大型巨人確認!!」
「よし、まずはアルミンの回収だ、なるべく低空で頼むよ、オニャンコポン」
「はい!」
超大型巨人の真上を通るとガコンっという音がした。
おそらくアルミンが上がってきたのだろう。少しして操縦室にアルミンが入ってきた。
「ただ今戻りました」
「アルミン!」
リリアがアルミンに抱き付くと、アルミンはアタフタと顔を真っ赤にして驚いた。
「リリア兵長?!あのっ!あのっ!?」
「良かった……無事で…」
「ありがとうございます……でも…やっぱりツラいですね」
ゆっくりとリリアがアルミンから離れる。
「もう……逃げられません。あの時のライナーやベルトルトと同じです。同じ事を……しました…たくさんの命を……奪いました」
ギュッと手を握りしめアルミンが俯くと再びリリアが優しくアルミンを抱きしめた。
するとハンジが口を開く。
「さぁ、次はいよいよレベリオ収容区へ向かうよ。作戦通りに事が進んでいればいいのだけれど…」