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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第58章 #58 エレンからの手紙



そしてマーレに潜入していたハンジとリヴァイ、リリア、そして104期の調査兵団は一旦パラディ島へと帰還、数週間の時間を費やし作戦が立てられた。
大まかな作戦としては調査兵団は宣戦布告前に再びマーレに潜入、当日戦闘後、エレンとジークを飛行船で回収しパラディ島に帰還するというものだ。


「リリア、君は戦闘には加わらず、私と一緒に飛行船で皆を回収する方に回ってもらうからね」
「え?どうして?ジークの回収は私にもやらせて!!」
「ダメだ」
「何で?!」
「リリアだとジークを殺す可能性があるからだ」

ハンジに言われ、リリアは固まった。
ジークは自分が捕まえたい、絶対に。しかしハンジはそれを許してくれない。

「エルヴィンの仇を前にリリアは冷静にジークを捕獲出来るかい?怒りに任せて殺してしまう可能性が高いだろう?」
「そんな事…」
「ジークはまだ殺せないんだよ。だから君には任せられない、ジークの捕獲はリヴァイに任せる」
「でも!!」
「でもじゃない!許可はしない。少しジークの話になっただけで取り乱す君には無理だよ。それにマーレでの戦いは巨人との戦いになる。片腕の君に戦闘は任せられない。いいね?ジークはリヴァイに任せる」

ポンッとリリアの肩を叩き、ハンジは部屋から出ていった。
残されたのはリリアと、話を静かに聞いていたリヴァイだけだった。

「………はぁ…」
「ハンジが正しいだろ。ため息つくな、お前じゃ無理だ」
「はい…」

リヴァイはリリアの前に立つと頭に手を乗せた。

「俺がちゃんと捕まえる。時を待て」
「分かったよ……リヴァイ」
「まぁ、俺としては先にマーレに行く分、またお前と離れなきゃいけねぇのと、再会後はお前がジークに突っかかるのを全力で止めないといけねぇのが目に見えてるのが嫌になるな」
「あ〜そうか……早目にマーレで待機になるからまた離れ離れか……」

寂しいな、とリリアが落ち込んだ。

「ジークに突っかかるのも否定しろ。お前を止めるのも一苦労だからな」
「それは……約束出来ない」
「ったく…」


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