第56章 #56 幸せになれ
「リヴァイーー!!!会いたかったよ!!」
「お前、何で手紙の一つも寄こさねぇんだよ」
「何回も書いたよぉ!でも返事来ないからきっと兵団が止めてたんだと思う……途中からもう諦めた」
そうか、とリヴァイは力を込めて抱き返した。
「何もなかったか?拷問とか…」
「うん!ちょっと鼻血出たくらいで、ナイル兄ちゃんが手回ししてくれて司令に助けられた!」
「鼻血……殴られたのか…?」
「ううん、机に顔面ぶつけられただけ!」
「やった奴の名を教えろ。俺が1億倍にして返す…」
「私より酷いじゃん……」
二人はリヴァイの部屋へ戻る事にした。
道中に何故リヴァイが戻ってきたのか説明をされ、リリアは困った顔をした。
あれだけハンジを支えてくれと言ったのに、リリアに会えないがために帰されてしまうとは思いもしなかった。
「リヴァイ…どうしちゃったの?そんなに寂しがり屋だった?」
「……お前だってそうだろうが、俺の服全部出しやがって」
あっ、と思い出したようにリリアが声を上げた。
後で直そうと思っていたのに先にリヴァイが戻ってきたのは計算外だった。
「すみません…片付けます…」
そして戻ってきた部屋を見てリリアが改めて申し訳なさそうに息を吐いた。
こう見るとベッドの上の散らかりようがとんでもない、服の山だ。
「どうもこう……匂いが恋しく…」
「……本当に変なクセだな……」
二人は服を綺麗にたたみ、クローゼットに直した。
スッキリとしたベッド、ここはリリアの定位置でもあるためようやく座る事が出来た。
リヴァイもベッドの端に座る。
「手首はどうだ?」
「あ、見て?固定は取れたの!凄い治りがいいって!!でもまだまだ安静だよ」
「そうか、良かったな」
するとリヴァイが靴を脱ぎ、ベッドに上がりリリアに向けて手を伸ばした。
抱きしめたいという意味だ。リリアは笑うとリヴァイに抱き着いた。
珍しくリヴァイがリリアに擦り寄ってくる。あまり普段はそんな事をしないので少しだけ恥ずかしい。