第56章 #56 幸せになれ
「お兄ちゃん!!私、頑張るぞ!!」
「……」
「ありがとう!ナイル兄ちゃん」
「あ、あぁ」
「ナイル兄ちゃん、長生きしてね」
「勿論、子供達が独り立ちするまで死ねないよ」
「ダメ!その後もマリーさんと仲良く長生きしてね!」
「あぁ。さぁ、帰るぞ」
肩車をしたまま暫く歩いた二人、途中で数人すれ違い、おかしな目で見られてしまったが気にしなかった。
幼い頃、エルヴィンのいない寂しさを埋めてくれた。
リリアに文字を教え、生活する上で必要な知識を教えてくれたのはドーク夫妻。
本当に、本当に感謝しかない。
今回の件でまた心配もかけてしまっただろう。
「ナイル兄ちゃん」
「どうした?」
「大好きだよ、ありがとう。マリーさんにも伝えてね」
「どうしたんだよ、でも、ありがとうな。俺達もリリアちゃんが大好きだからな」