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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第56章 #56 幸せになれ



食事を終え、ニコロに見送られレストランを出た二人、辺りはもう暗く空には星が輝いていた。
リリアはキョロキョロと周りに人がいない事を確認するとナイルの服を引っ張った。

「ナイル兄ちゃん、あの…」
「なんだ?」
「お願いがあって、久し振りにアレ……やって?ほら!アレ!!」

リリアが拳を握り胸の前に持っていきアピールする。
初めは何の事だか分からなかったが、ナイルは理解した。

「あー!アレか!昔はよくエルヴィン探しにやったよな」
「うんうん!」
「肩車だな!」

小さい頃、エルヴィンが留守の時はナイルがリリアの面倒を見る事が多かった。
その時にエルヴィンの帰りが遅いとリリアが泣き出し、ナイルはリリアをあやすために肩車をして高い位置からエルヴィンを探させていた。


「流石に大きくなったから…無理?腰にくる?」
「おーい!俺だって厳しい訓練をしてきた兵士だぞ?イケる、ハズ!」
「マリーさんに怒られない?」
「ないよ!リリアちゃんは俺達の家族だから」

リリアは嬉しそうに笑った。
ナイルはリリアの後ろに回るとしゃがみ、足の間に頭を入れ立ち上がった。

「よっ!」
「おぉー!!ナイル兄ちゃん凄い!立てた!!」
「まだ筋力はあるな……アレか、リリアちゃんが軽いからか。落ちないようにな!」
「うん!」

いつもより高い位置から街を見渡す。
こうやって人より高い位置からエルヴィンを探していた。
しかし今、リリアは空を見上げている。

少しでもエルヴィンに近い位置から。


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