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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第55章 #55 エレンの失踪



調査兵団のメンバーは各客室へと戻って行った。
もう時間も遅い、体を休めてまた明日エレンを探さなければ。
リヴァイはリリアを部屋に連れて行きベッドに寝かすと、自分はベッドの横に椅子を着け彼女が眠るのを見守った。
流石に疲れていたのかリリアは数分で夢の中、リヴァイは息を吐きズルズルと少し椅子からズレるように座った。

するとコンコンとドアを叩く音がし、ハンジが少しだけ顔を覗かせた。

「やほ、リリア寝た?」
「あぁ。何だ、お前も早く寝ろ」

部屋に入ってきたハンジはリリアの寝顔を見ると安心したように肩を下ろした。
そしてベッドの端に座りリリアの頭を撫でる。

「さっきリリアに土下座された時はどうしようかと思っちゃったよ……」
「それだけコイツも気にしてたんだろ。自分のせいでエレンを見失って全ての責任がハンジに行く事を」
「……勿論エレンがいなくなってしまったのは私の監督不届きだ。責任は取る。しかし……何となくだけど…上の奴らリリアに責任押し付けてきそうな気がしてそっちの方が心配なんだよね」

リヴァイは椅子に座り直すとリリアを見た。

「弱い奴を狙って責めてきそうだな」
「だろ?ザックレー総統やピクシス司令がいるから大丈夫だとは思うけど……彼ら上層部はエレンの失踪を聞いて絶望しそうだ。始祖の巨人を失えば我々はお終いだからね。リリアだけ帰還命令をだして尋問…かな」

リヴァイは俯き大きく息を吐くとハンジを見た。

「帰還命令が出たら俺も一緒に戻れねぇか?こいつには生活の介助も必要だ。俺が無理ならここにいる104期の誰かリリアの気心知れた奴……じゃないとコイツの精神面が不安だ」
「どうだろうね…我々は上に従うしかないから…」

二人のため息だけが部屋に響く。
そして予想通り、報告を受けたパラディ島の上層部はリリアだけに帰還命令を出した。
他の者の付き添いは許さず、エレンの捜索に尽力するようにとの事だった。


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