• テキストサイズ

誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第55章 #55 エレンの失踪



アズマビトの屋敷に戻るとハンジと104期のメンバーも戻ってきていた。
辺りを見渡すがやはりエレンの姿はない。
するとリリアに気付いたハンジが駆け寄ってきた。

「リリア!怪我はどう?大丈夫?」
「うん…エレンは?」
「だいぶ粘ったんだけどね……見つからなかった。もう遅いから明日にまた捜索を再開するよ。報告書になんて書いたらいいやら……」

その時だ。
リリアが膝を着き頭を床に付けてハンジに向かって土下座をした。
周りの皆が驚き目を見開く。

「ごめんなさい……私がもっとちゃんとエレンを止めていたらこんな事には…私が…油断したばかりに…」
「ちょ……ちょっとリリア!!やめてよ!頭を上げて!!」
「全て私の責任です……本当に申し訳ありませんでした……報告書にもそう書いて下さい。エレンの失踪を見逃したのと同じです……」
「リリア!頼むから頭を上げて!!」

するとアルミンがリリアの前に歩み肩に手を置いた。

「リリア兵長は悪くないです。悪いのはリリア兵長を傷付けて何も言わずに一人でいなくなったエレンです。こんな大怪我…必死にエレンを止めた結果でしょう?」
「そうだ!悪いのはあの馬鹿野郎だ!!リリア兵長、頭を上げて下さい!!」

ジャンやコニーもリリアを支えて体を起こさせた。
リリアは今にも泣き出しそうに体を震わせている。

「でもこのままじゃ……全ての責任がハンジに行ってしまう……私が悪いのに…」

ハンジは苦笑いをするとリリアをギュッと抱きしめた。

「部下の責任は私の責任だ。でもリリアが気にする事じゃない、大丈夫。ほら、顔上げて?私なんかにあんな言葉使わないでよ。よそよそしい、やだよ?」

よしよし、と頭を撫でるハンジ、すると我慢していた涙がリリアの目からボロボロと溢れてきた。

「う…うぅぅ…うぇぇぇん……ごめんね…みんなごめん…」
「泣くなー!リリア!!」

そんなリリアをジッとリヴァイは見つめていた。
やはりリリアの腕をやったのはエレン。
怒りも勿論あるが、今は探す事を優先しなければならない。


/ 1014ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp