第54章 #54 楽しき時間
「リリア兵……じゃなかった、リリアさん、これどうぞ、アイスクリームっていう食べ物らしいです」
「あいす?」
アイスをリリアに手渡すと、アルミンはエレンとミカサの所へ戻っていった。
リリアが渡されたアイスを眺めているとオニャンコポンが声をかけた。
「リリアさん、早く食べないと溶けちゃいますよ」
「溶ける?!」
慌ててアイスを口に含んだリリアは目を見開いた。
甘くて、冷たくて凄く美味しい。こんな食べ物は今まで食べた事がない。
「うー!!美味しい!!甘い、冷たい!」
「でしょう?人気なんですよ」
「ハンジ、ハンジ!!食べてみて?これ凄い!!」
リリアに差し出されたアイスをどれ、とハンジが一口食べる。
「冷たっ!!甘い!こ、これは……美味しい」
「ね!!リヴァイもちょっと食べてみて!感動する!」
「いらねぇ」
「本当に美味しいのになぁ」
甘い物は苦手と断ったリヴァイ、美味しそうに、嬉しそうに食べている彼女の表情を見るだけで満足だった。
そんなリリアを少し離れた所で見ていたエレンは柔らかく笑っていた。