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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第53章 #53 いざ、マーレへ



朝になり、窓から差し込んだ朝日の光で目が覚めた。
リリアは起き上がると隣で寝ているハンジの体を揺する。

「ハンジ、起きて。朝だよ」
「んー?あらまぁ、リリアの声で起きれるなんて幸せだねぇ」
「私一旦部屋に戻って準備してくるね!また後で」
「了解!よく寝れた?」

グッと親指を立ててウィンクを返したリリアは手を振るとハンジの部屋を後にした。
頭を掻いて欠伸をしたハンジは立ち上がると窓から外を見た。
天気は晴れ、これなら海の波も荒くはないだろう。


「さぁ……大規模な壁外調査だね」




部屋に戻ったリリアはドアを開けて固まった。
目の前にかなり機嫌の悪そうな顔をしたリヴァイが仁王立ちで待っていたからだ。
これはマズイと逆に笑いが込み上げる。

「おは、おはようございます」
「よぉ、どこ行ってやがった」
「えぇっと……ちょっと団長と話がありまして」
「ほぉ……寝巻きのまま早朝からご苦労な事だな。で、何の話だ?」

怖い、表情が本当に怖い。

「や、あの……大した用でなく……あの…リヴァイ、ごめんなさい。ハンジの所で寝ました」
「ったく……朝来たらいねぇからビビったじゃねぇか」
「眠れなくて……渡り廊下でたまたまハンジに会って…」
「分かった、いなくて驚いただけだ。怒ってねぇよ」

リヴァイはリリアの頭を撫でた。
すると彼女が持っていた紙に目が行く。

「絵?」
「あ、これ!ハンジに貰ったの!モブリットが描いたスケッチ!!見て?お兄ちゃん!リヴァイもいるよ!」
「さすが上手いな。俺の方が男前じゃねぇか?」
「二人共カッコいいよ!」
「こういう時は俺って言っとけ。ほら、準備しろ!」

リリアは貰ったスケッチを大事に机の引き出しに直すと、着替え、最後の準備を始めた。
荷物を持ち、港に向かうとすでに104期のメンバーが集まっていた。
リリアとリヴァイの到着に皆が頭を下げる。

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