第53章 #53 いざ、マーレへ
「ねぇ?」
「ん?」
「どうしてまだ団長補佐の役職残してるの?あれはお兄ちゃんが作った物だから無くしていいんだよ?」
「だってその方がリリアが私の側にいてくれるだろ?」
リリアがハンジを見つめる。
ハンジはもう目を閉じていた。
「私が…団長の間は……なくさない。私だって…リリアともっと一緒に……」
そこまで言ってハンジは眠ってしまった。
リリアは微笑みながらハンジの腕にしがみつくと自分も目を閉じた。
ハンジの自分を好いてくれる気持ちがすごく嬉しい。
自分もずっと、ずっと、ハンジの側にいて一緒に笑い合いたい。
少ししてゆっくりと目を開けたハンジはリリアの方を見ると優しく笑った。
自分の腕にしがみつき寝ているリリアが愛おしい。
恋愛感情とは違うが、リリアの事が本当に大事で大好きだ。
(おやすみ、リリア)