第7章 #07 実験と訓練
爆発するような蒸気と共にエレンが巨人化し、周りにいたエルド、オルオ、グンタ、そしてリリアを吹き飛ばした。
蒸気が晴れると、そこには手だけ巨人化したエレンが姿を現した。
エレンは必死に融合した手を引っ張り出そうとしている。
「何で今頃?!」
「落ち着け」
「リヴァイ兵長!!これはっ!!」
エレンが目を見開く。
「落ち着けと言っているんだ。お前ら」
巨人化したエレンにリヴァイ班のメンバーが剣を構え睨み付けている。
リヴァイが落ち着くよう声を掛けるが、混乱しているのか聞く耳を持たない。
リリアは立ち上がると頭を振りながらエレンに近付いた。
「エレン、大丈夫?」
「リリア兵長……オレ…」
するとエルドが声を上げた。
「エレン!!どういう事だっ!!」
「はいっ?」
「何故今許可もなくやった?答えろっ!!」
「エルド待て」
リヴァイが止めるが止まらない。
「答えろよ、エレン!!どういうつもりだ!!」
「いいや、それは後だ!俺たちに、いや、人類に敵意がない事を証明してくれ!早くっ!!」
オルオとグンタも間髪入れずにエレンを責める。
エレン自身も混乱し、どうしていいのか分からない。
リリアも落ち着いてと声を掛けるが彼らには届いていないようだ。
「兵長!リリア兵長も!!エレンから離れてください!!近すぎます!」
「いいや、離れるべきはお前らの方だ、下がれ」
「何故です?!」
「俺の勘だ」
しかしリヴァイがどう言っても彼らは止まらない。
何か喋れ、証明しろ、お前を斬る、早くしろ……どんどんエレンを追い詰めていく。
そしてついにエレンが声を上げた。
「ちょっと!!!黙っててくださいよ!!!」
その時だ。