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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第1章 #01 就任



「オイ、ブラコン。用は済んだのか」
「ん?リヴァイ!ブラコンって言うな!!お兄ちゃんは好きだけど!何か用?」
「ちょっと来い」

リヴァイはクルリと反転するとリリアを物影に連れて行き、ポケットから何かを取り出しリリアに渡した。
キレイな袋に包まれたそれをリリアが受け取り首を傾げる。

「何?」
「……開けりゃいいだろ」

言われた通りにリリアが袋を開けると、中には真っ白なスカーフが入っていた。

「あーっ!!」

はぁ、とリヴァイが大きく息を吐いた。
それは数ヶ月前の事、リヴァイとリリアが共に訓練をし、少し休憩を取っていた時の話だ。



『ねぇねぇリヴァイ、私が昇格したらお願いがあるんだけど』
『あ?』

トントンとリリアが首元を指差す。

『リヴァイがクラバット付けてるみたいに私もここにリボン付けたい!』
『勝手にしろよ。何で俺に言う』
『買って!!』
『はぁ?』
『昇格祝い!』
『ふざけんな、テメェで買えよ』

買って買ってと、まるで子供の様に駄々をこねるリリアにリヴァイは頭を抱えた。

『うるせぇな!!そんなモンはエルヴィンに言いやがれ!クソが!!』
『ケチー!!』




受け取ったリリアが口をあんぐりと開けてリヴァイを見つめた。
絶対に買ってくれないと思っていたのに、おそらく彼はリリアの昇格を聞き、この真っ白なスカーフを買いに行ったのだろう。


"あの"リヴァイが。


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