第52章 #52 約束
「リリアは獣の巨人を倒すまではエルヴィン・スミスの妹でありたいと言ったな。それまでは一緒になれないと」
「うん。これだけは……譲れないの」
「それはいい、納得している。ただ…俺だって不安がない訳じゃない。だから……約束して欲しい」
「なんの?」
「獣の巨人を倒して全ての事が終わり、二人生きていたら………俺と必ず結婚すると約束してくれ」
リリアが目を見開く。
今は一緒になれないと言った事が、リヴァイにとってはそれがかなりの不安要素だったようだ。
理由に納得したものの先の見えないこの現状に、少しの光が欲しい。
それに加え、昨日リリアにかなりの不信感を与えてしまい、習性で好きになったなどそんな事はないと、自分はリリアの事を一番に想っているのだと分かって欲しかったのだ。
「約束……してくれないか」
「こんな……こんな私で良かったら……あの…喜んで」
リヴァイが安堵した表情でリリアを見つめる。
「あの……えっと……全部終わったらリヴァイの!!その……お、お嫁さんに…してね?」
「勿論だ」
するとリヴァイがリリアの右手の薬指に何かをはめた。
見るとそれは小さな花の細工が施された綺麗な指輪だった。
「え……」
「急ぎの物だが……お前に似合いそうな物を選んだつもりだ」
リリアを置いて出掛けていたのはこれを買いに行っていたのだ。
手を繋ぎ、指を摘まむ様な動きをしていたのも指の大きさを測っていたのだろう、バレない様に。
「綺麗……いいの?」
「あぁ」
嬉しくて泣いてしまいそうだ。
リヴァイの胸に顔を押し当て背中に腕を回し抱き着いた。