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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第52章 #52 約束



その後リヴァイから行きたい所があると言われ、手軽に食べられる昼食用の食事を買い、街から少し外れた小さな川の側に移動した。
そこは前にリヴァイとスカーフを買いに来た時に昼食をとった場所だった。

「リヴァイここに来たかったの?」
「あぁ」

以前と同じ様に木の下にシートを引き、二人座った。
リヴァイは相変わらずあまりリリアの方を見ず、晴れた空を見上げていた。

会話があまりなく、リリアはチラチラとリヴァイを見るが少し寂しげに自分も空を見た。
そういえばリヴァイは先程どこに行っていたのだろう、そんな事を考えているとリヴァイの方から口を開いた。

「なぁ」
「ん?」
「服、ちゃんと見せてくれねぇか?」

その言葉に驚き目を丸くする。リヴァイはあまりこの服が好みでなく興味がないものと思っていた。
リリアは立ち上がるとリヴァイの前に立ち少し恥ずかしそうに手を後ろに回した。

「回ってみてくれよ」
「え?うん」

言われた通りその場でクルリと回る。
柔らかな素材のそのワンピースは、フワリと裾が上がり、ゆっくり元の位置に戻った。


「俺が生まれて初めて綺麗だと思ったのが、調査兵団に入って最初の壁外調査で見た青空だった。あの空の綺麗さは今も忘れていない」

リヴァイはジッとリリアを見つめ立ち上がると前に立ち、手を取った。

「さっき一目お前の姿を見た時に、あの時の衝撃と同じものを感じた。リリア……綺麗だ」
「リヴァイ……」
「一つ、約束して欲しい事がある」
「約束?」

ふぅ、とリヴァイが呼吸を整えた。
一体何の約束なのだろうか。


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