第52章 #52 約束
「あ!リヴァイ、待って!あれ見る」
店では乾燥させた花に香りを付けた物を綺麗な袋に詰めて売っていた。
良い香りで気分が良い。
「良い香り」
「これはポプリだよ、どうだい?」
リヴァイが後ろから覗き込む。
「欲しいのか?」
「私のじゃなくてエレンに」
「エレン?」
「昨日かなり心配かけちゃったし、エレンの言葉に救われたから…お詫びとお礼!」
「そうか…」
たくさん並ぶポプリの香り袋にリリアは悩む。
どれがエレンの好みだろうか。
「リヴァイ、エレンどれが好きかな」
「アイツの好みは知らねぇよ。まぁ……アイツの瞳の色とかに合わせたらどうだ?」
それだ、とリリアは緑色の香り袋を手に取る。
淡い緑だがエレンに合いそうだ。
リヴァイがお金を払おうとしたがリリアがそれを断った。
片手で一生懸命に財布を出し、時間はかかるが自力で支払いをした。
敢えてリヴァイは手を出さず見守り、その一人で頑張るその姿に小さく微笑んだ。