第52章 #52 約束
暫くするとリヴァイが店に戻ってきた。
リリアは椅子に座って彼の視線の先にいたのだが、何故かリヴァイがリリアに気付かない。
「あ?リリアはどこ行きやがった」
「テメェの目は節穴か。そこにいるだろうが目の前に」
リリアは立ち上がり、恥ずかしそうにリヴァイを見た。
一瞬固まったリヴァイはパチパチと何度か瞬きをした後、目を見開き凝視した。
「えっと…リヴァイ、どうかな。似合う?」
「………」
「リヴァイ?」
「あ、あぁ……いいんじゃねぇか?」
と言うとサッと視線を逸らしたリヴァイ、すると店主が大きな声で笑った。
「コイツ、お嬢さんが綺麗すぎて言葉が出ねぇってよ!」
「うるせぇな!!」
「ほら、行った行った!!時間が勿体ねぇぞ?」
店主はリヴァイとリリアを店から出すと二人を並ばせリヴァイの背中をバンっと叩いた。
勢いにリヴァイがよろめく。
「楽しんでこいよ!」
リリアは振り向くと店主に頭を下げた。
行ってらっしゃいと笑顔で二人を見送る店主に、リリアは手を振ってリヴァイとその場から離れた。
暫く歩くと無言でリヴァイがリリアの手を取るが、あまりリリアの方を見ようとしない。
ただ前をまっすぐ見て足を進めていた。
(……あんまり似合ってないのかな…前もあんまり反応は良くなかったし好みじゃないのかな。でも私は気に入ったからいいか!)
リヴァイの反応はあまり気にせずリリアは周辺の出店を見た。
するととある店の物に目が行く。