第52章 #52 約束
「え?休み?今日?」
「無理か?」
「何かあるの?急な用事が」
団長室、リヴァイはハンジに休みが取れないか聞きにきたが、どうも簡単にはいきそうにない気配がある。
当たり前といえば当たり前なのだが。
「用事……というかリリアと出掛けたい」
「え、何で今日?」
「今日思い付いた。無理か?」
困った様に頭を掻いたハンジ、正直リヴァイとリリアが同時に休まれると困る。
「無理ならいい。急に言ってすまねぇ」
「あ、いや!どうにかする!!……うん、今日は特に重要な要件はないな……よし!いいよ!ただし、今後は前もってお願いね?」
「悪いな、感謝する」
頭を下げるリヴァイ、何だか素直だ。
「……リヴァイ、もしかして今日なんかするの?」
「あ?」
「君の事だから、昨日の件でリリアに何かしようと思い付いたから休み取ったんじゃない?だから急なんでしょ?」
「………」
「あーー!!もしやもしや?!プロポーズするとかぁ?!ついに結婚かぁー!!」
「俺はすでにしてるし、今は出来ねぇと断られている」
間が開く。
まさか断られているとは思いもしなかった。
「なんか…ごめん……傷えぐった?」
「いや、別に」
「それじゃあ何するのさ?」
「約束」
ハンジが首を傾げる。
「何の?」
「今回の事でアイツをかなり不安にさせちまったからな」
「だから何の約束?」
「……全部終わったら……って何でテメェに言わなきゃいけねぇんだよ!とにかく今日は休むからな!!」
そう言い捨てるとリヴァイは部屋から出ていった。
ハンジが笑う。何となくだがリリアと何の約束をするのか分かった。
「そっかそっかー!!ふふふ!!」
ハンジは窓際によると笑顔で空を見た。
「あの二人の結婚式とか見たいよね、エルヴィン!私も頑張って生きなきゃな!!」