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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第51章 #51 偽物の好き



それから壁内までやはりリリアは一言も喋らなかった。
心配そうなハンジと別れると、リヴァイはリリアを自分の部屋へと連れてきた。

最近ではリリアが部屋にいるのが多いため、着替えも部屋に置いてある。
帽子を脱がせ、ずっと持っている水にも手を伸ばした。


「貸せ。もうぬるくなって飲めねぇよ」
「やだ…」
「リリア」

頭を撫で、リリアに目線を合わせる。
恐る恐るリヴァイを見るその目は、まだ疑いが完璧には晴れていない様だ。

「あのな、習性がどうとか俺は関係ねぇからな。アッカーマンとか知るか、俺は俺だ、"ただのリヴァイ"だ」
「……」
「エルヴィンの事は尊敬しているし、俺自身が付いて行こう、守ろうと思った奴だ。だがな、もしもそういう習性があったとしても恋愛感情は別物だろ。俺はお前が好きだから今もこうしてお前といる。じゃなきゃ俺はエルヴィンとイチャイチャしてねぇとおかしいだろうが」
「……ぷっ」

リリアが笑った。

「だろ?」
「うん」

ようやくリリアは水の容器から手を離した。
リヴァイは彼女の頭を抱くと、ポンポンと叩き額に唇を落とす。
安心した様にリリアの表情が穏やかになった。


「よし、風呂入ってこい。良いものを準備しておく」
「良いもの?」
「俺も入ってくるからゆっくりして戻ってこい」
「分かった!」


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