第50章 #50 ジークの秘策
「ねぇ、ハンジ?」
「ん?」
「この話し合い、私も聞きたいんだけど無理かな」
「あぁ…一応王政幹部とエレンとミカサ、兵団長だけになってるけど……」
「そっか」
残念そうな顔をすると、リヴァイが声をかけた。
「仕方ねぇだろ。行くぞ」
「ごめんね、リリア」
手を振ってハンジと別れたリリア、何故かリヴァイがグイグイ手を引き、その場から離れていく。
何やら急いでいるようにも見える早さだ。
「リヴァイ?どうしたの?急いでる?」
「中で聞けねぇなら外から聞きゃいいだろう?」
「んっ?!」
「早くしろ、始まる」
要するに外から盗み聴きするぞ、とリヴァイは言いたいらしい。
二人は外に出ると会議室の窓の下に息を潜めて座った。
窓は何故か開いていて、話し声が完璧に聞こえる。
(開けたのリヴァイ?)
(空気の入れ換えは大事だろ?)
ぷッとリリアが噴いた。