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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第50章 #50 ジークの秘策



キヨミらを部屋に残し、ヒストリアやエレン、ミカサ達は一旦部屋の外へと出た。
これからキヨミらと今後の事を話すのだが、パラディ島側はどうすればいいのか正直分からない。


「そもそも国ってのがよく分からんな…」
「とにかくヒィズルが利用できるなら何でもするんだ」

「これが罠だったら…」
「やはりイェレナ達の意見を聞くしか……」
「いや、それこそ奴らの思う壺だろう!!」

意見が割れ、動揺が走る。
するとピクシスが扉の前に立った。

「一つ確かな事がある。我々は海で繋がる世界においてヨチヨチ歩きを始めた赤ん坊にすぎん。今は黙って耳を貸すのみ、としよう」

そしてピクシスに続き、幹部らが部屋へと入る。
すると部屋に入る前にヒストリアがミカサに近付き声をかけた。

「ねぇ、その印何でエレンだけに見せたの?」
「え?」
「だって手首の包帯、誰にも見せなかったじゃない」
「これは…その……」
「なんか嬉しそうだな」

エレンがヒストリアに聞くと彼女は笑った。

「嬉しいんだよ!私達は生まれの事で、重い荷物を背負う者同士なんでしょ?ミカサが一緒ならこんなに頼もしい人いないよ」

嬉しそうなその表情にエレンは微笑み、その様子を少し離れた所からハンジとリリアが見ていた。
すると部屋に入ろうとしていたハンジの服をリリアが軽く引っ張った。

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