第50章 #50 ジークの秘策
暫くし、リリアは壁内へと戻った。
ニコニコ嬉しそうに団長室へと向かう。港作りの報告と手土産を早く渡したい。
「ハンジ!ただいま!」
「お?リリア?入っていいよ!リヴァイもいるよ」
部屋に入るとハンジと、タイミングよくリヴァイも団長室に来ていた。
リリアを見ると軽く片手を上げながら振り向く。
「リヴァイ!」
「よぉ、無事に戻ったな」
手に持っていた箱を部屋の中央にある机に置くと、手を広げてリヴァイに抱き着いていった。
その勢いにリヴァイの体がソファに沈む。
「リリア……ここは俺の部屋じゃねぇ。弁えろ」
と言いつつもリヴァイはリリアの体を力一杯抱きしめている。
「あはは!!言葉とは裏腹に抱きしめてんじゃん!気にしなくていいよ!いいねぇ、いいねぇ!仲良くて!!」
ハンジは笑い、机の上に置かれた箱を見た。
「これは?」
「あっ!お土産!!ニコロが作ったご飯!あまりに美味しいから二人にも食べてほしくて」
リヴァイから離れ、リリアはその箱を開けた。
中には先程リリアも食べた海鮮だしで炊いたご飯が入っている。
それを分け、二人の前に出した。
美味しそうだ、とハンジは躊躇なくご飯を口にしたがリヴァイの方はその様子を見たまままだ食べない。